1. エネルギー社会システムのデザイン

 

電気のエネルギー社会システムには大きな変革が求められています。日本では電気が電力事業者の発電所で集中的に生産され送電網で需要地(事業所、家庭)へ輸送され、消費されるというモデルが長く一般的でした。そしてその発電は化石エネルギーに依存するものが中心で、それに原子力発電が強力に役割を分担すると言う形が当然のように思われてきました。2011年の大震災でこのモデルに大きな見直しが必要なことがわかりました。大げさに言えば人間の営みと自然の営みの新しい関係を作り直すことが必要だと言うことを教えられたのです。

自然エネルギー発電の導入は間違いのない新しい方向です。導入のピッチを高めなければなりません。しかし、自然エネルギー発電は天候次第の不安定な発電を行いますから、需要(消費)と合わせることは大変困難です。

ですから変動する電気の生産と変動する需要を結びつけるために蓄電は必須の技術です。幸いにこの20年余りの間にリチウムイオン電池が急速に発達し、電子機器に利用され、電気自動車が大量生産され、2011年からは定置型の利用が始まりました。「電気が貯められる」というパラダイムシフトが世界を変えることになるでしょう。

自然エネルギー発電とリチウムイオン電池による蓄電は世界中のエネルギーシステムに革命をもたらすことになります。この革命の特徴は、世界分散的に行われるということです。つまり、世界中の色々なところで自然エネルギー発電が行われ、世界中の色々なところで蓄電が行われる社会へ変わっていくということなのです。

日本では家庭、マンション、ビル、事業所、地方自治体などいろいろなところで自然エネルギー発電がおこなわれ、色々な規模で蓄電が行われるようになってきます。しかし、それぞれのケースでどのような規模のどのような種類の自然エネルギー発電を導入し、どのような規模で蓄電すれば良いかは難しい問題です。

日射や風の自然条件、年間・週次・昼夜で変動する電力需要によって最適な答えは全く違ったものになります。沖縄で最適なシステムは東北で最適なシステムとは大きく異なったものになります。東京都心の複合ビルに最適なシステム、公共施設に最適なシステム、都心全体にとって最適なシステム、これらは一つ一つ異なった答えを持っています。地球上のすべての地域と対象施設にそれぞれ異なった答えがあるのです。

正しい答えを求めるために科学的な設計法があります。それが、私達が提供するCSSD(Computational Social System Dynamics)というIT技術によったエネルギー社会システムの設計法です。

過去の自然条件データと過去の需要データからシステムを設計する仕様設計法(Static system)と明日の天候と発電と需要を予測し、毎日の蓄電・放電を経営する日々の経営法(dynamic system)の2つがあります。天候予測の価値はますます高くなります。

複合ビル、都会のある地域、地方の都市全体のエネルギー社会システムを設計した例をご紹介します。

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2. 情報統合と予測による全体最適経営システム

 

ITは企業経営に不可欠のものになりました。しかし、その利用法はまだまだです。製造業における設計と生産にはITが大きな貢献をしてきました。ITなしに日本の製造業の現場を語ることはできません。しかし、販売やマーケティングを考えると状況は一変します。ITを使っていない販売やマーケティングが横行しているのが現実です。設計と生産以外のデータは構造化どころか、把握されていないことさえ多いのです。

悪い例は書籍のビジネスです。POSデータは集められていますが、このデータが出版社(生産者)に伝えられなくて、結局40%の本が返却され廃棄されています。大変効率の悪い社会システムがあります。しかし、データ統合と科学的な販売予測によって、本のビジネスは大変革を起こすことができます。返本率は40%から20%に減らしたいものです。

ERP等の経営支援システムは企業経営の進歩に貢献していません。ある大手ITベンダー(ERPをたくさん売っている企業ですが)の調査では顧客企業のうち20%以下しかERPの導入が経営の改善に貢献したと答えていないのです。

ITは確実に企業経営を変えます。ERP導入はほんの入り口か、場合によっては間違った選択肢だったかもしれません。

それぞれの業態に合った経営システムを構築することを目標にしなければなりません。今の業務のデータマイニングによる問題点の抽出、新しく挑戦するべきビジネスモデルの提案などを行っていきたいと思います。

情報統合と未来(販売)予測が基本技術になりますが、ビジネスを変化させることと新しいビジネスモデルの実装が本当の価値を生み出します。

新しいビジネスモデルを創造できない企業・産業は大きな発展がのぞめないかもしれません。新しいビジネスモデルの創造のためにはコンセプトづくりモデル作りが重要で、その次に全体最適するITシステムが必要になってきます。LNG発電所、道路公社、書籍流通業、電子機器製造業、電子機器販売業、オフィス向通販、玩具メーカー、飲料メーカーなどのプロジェクトの経験を活かして「社会システムデザイン」はこのような創造プロジェクトに様々な形で貢献したいと思います。

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3. 復興プロジェクト

 

前田前国交大臣は「復興プロジェクトに失敗したらそれは第2の敗戦だ」とおっしゃっていました。すべての日本国民が頑張って協力しなければなりません。復旧より復興です。都市を復旧するだけでなく、産業を復興させなければなりません。これは経済的な停滞の続く日本全体に与えられたミッションと似ています。

東北の復興を日本の復興と繋げるべきなのです。日本の抱える資源エネルギー問題(98%の輸入)と地球規模で共有する環境問題の解決、そして日本の産業に新たな成長をもたらす戦略を東北の復興と同時に実行しなければなりません。

4つの方程式を解かねばならないのです。

  1. 東北復興
  2. 資源エネルギー問題の解決策作り
  3. 環境問題の解決
  4. 産業振興

これらすべてのことを行わなければなりません。

社会システムデザイン(株)は気仙広域環境未来都市(大船渡市、陸前高田市、住田町)の復興プロジェクトを集中的に支援してきましたが、ここで行うプロジェクトは他の被災地はもちろん、被災地でない都市、海外の都市にも応用できるものです。

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